静岡林業研究会・木工部会の皆様がスプーンを刳りにやって来てくださいました。
この度は持ち込み企画で決まったお話なのですが、工房スタイルとしても予てより刳物のワークショップを開講したいと計画を進めていましたので、望むところでした。
立派な檜の枝です。
とあるお寺の境内に立つ檜だそうで、樹齢も相当なものとお見受けします。
こんなに目の詰まった蜜なヒノキは初めて。
普段専らチェリーやメープルなどの比較的硬い木でスプーンを作っているぼくとしては、ヒノキと聞いて当初は少し肉厚のデザインに変更しようかと思っていたのですが、それは野暮でした。
年輪の一層一層に風雪に耐えた時間がギュッと詰まっていて、見事に引き締まった素材でした。
イチイを彷彿とさせるその肌は、硬いけれど粘りがあって削りやすく、ナイフで新たな面を削り出すたびに光沢が生まれるのです。
通常スプーンを作るときは、万力やクランプでしっかり固定できるように、角材の部分を残しながら、匙のくぼみ ⇒ 後頭部 と削り進め、その後柄の形を切り出すのですが(上写真参照)、今回は時間短縮のためにスプーンのアウトラインを切り出しておきました。
これをクランプで作業台に固定して、やはりくぼみから刳り始めていただきます。
右利き用・左利き用、という訳ではありません。
素材の形と繊維方向、そして刃を動かす向きなどによって使い分けます。
このスコープナイフは丸刀でありながらストレートナイフのような感覚で使えるのが特徴。
写真ではクランプで固定した作業の様子を紹介していますが、素材を手に持った状態での作業ではさらにそのメリットを発揮します。
このスコープナイフは丸刀でありながらストレートナイフのような感覚で使えるのが特徴。
写真ではクランプで固定した作業の様子を紹介していますが、素材を手に持った状態での作業ではさらにそのメリットを発揮します。
モーラ #164S フックナイフ R12mm
ベントナイフは諸刃(もろは:両側に刃が付いている)で、フックは片刃。
ベントの利点は刃を両方向に動かして削れること、フックは刃の背を指で押すことができること。
スコープナイフと同様、素材を手に持った作業にも適しています。
スコープナイフと同様、素材を手に持った作業にも適しています。
モーラ #120 ストレートナイフ
刃長 60mm
80mmのタイプもありますが、刃渡りが短い方が安全性も操作性も高いです。
カトラリーのような小さな作品の場合にはなおさら。
カトラリーのような小さな作品の場合にはなおさら。
没頭すること3時間。密な時間でした。
形、面取り、逆目ぼれ。